Chararinaはもちろん,他のデスクトップマスコットソフトでも,キャラクターの画像を不定形ウィンドウとしてWindowsのデスクトップに直接表示させることがあります.しかし複雑な輪郭を持つ画像を不定形ウィンドウとして表示させるとき,元画像のアンチエイリアス部分が邪魔になり,ジャギーのように表示されてしまうことがあります(人物の輪郭のまわりに白い点々が残る).

それを解決するには,「ソフトウェアが根本的に(デスクトップに対する)アルファブレンディング表示に対応しており,αチャンネル(半透明)を含む画像を用意しておいて表示する」か,「自分でちまちまドット修正する」の2つのアプローチがあります.現在のChararinaは前者の表示方法に対応していますが,OSがWindows2000/XP以降であること,32bit色表示できること,という制限があります(設定でシステム−半透明 を開き,□画像を半透明表示する □画像の端を滑らかにする をONにする).

ここでは,後者のアプローチを取らざるを得ない場合の画像編集について簡単に説明します.
(Nassie)
単発講座春菜画像1
(画像1)
まず,これが元画像.白の背景にキャラクターの絵が描いてあります.(製品版の春菜の画像とは作りが違います)
Chararinaでは,(画像のαチャンネルを使用しない場合)画像の左下の一点の色を「背景色」として解釈し,その色を透明化して,その色以外の部分をデスクトップに表示します.いわゆる「背景抜き」を施してやる必要があるわけです.



単発講座春菜画像2
(画像2)
これが「透明化するべき部分を,左下の一点と同じ色で塗り潰した」状態です.しかし,輪郭の周りに白いゴミのようなドットが残っています.
実はこの塗り潰しは,ペイントソフトの塗り潰し機能で,背景の白(#000000)を緑に塗り潰したものです.しかし,輪郭のまわりには完全に白ではない,服や髪の色と背景とが混じった色が存在し,その色は厳密には白ではないため,塗り潰されずに残ったわけです.ペイントソフトをお持ちなら画像を拡大して確認してみてください.



単発講座春菜画像3
(画像3)
今度は,ペイントソフトで塗り潰しを行う際に「許容値(許容誤差)」を20にセットして塗り潰したものです.画像2のときよりは余分なドットが少なくなっていますが,跳ねた毛先のまわりなどに残っています.
ちなみに,これ以上許容値を上げると,ボレロの左腕あたりの色も同一とみなされ,身体の部分も塗り潰されてしまうので失敗します.



単発講座春菜画像4
(画像4)
Chararinaで実際に表示した場合のイメージです(PDK付属のregion.exeを使用).左が画像2,右が画像3を表示したものです.やはり,毛先など髪の回りやブーツの右側に白いドットが目立ちます.これらは,残念ながら手作業で1つずつ取り除いてやる必要があります.

まとめると以下のようになります.
・デスクトップに表示する画像を作成する場合,外に接する輪郭にアンチエイリアスは使えない(旧仕様のソフトまたは古い環境では).
・ペイントソフトの機能による自動的な除去にも限界がある.例えば,白い背景で白っぽい服を描いてしまうと,ソフトには背景と人物の判断がつかない.
・例外として,絵を描く時の背景と,実際に使用する時のデスクトップの色が同じであれば,これらの対処の必要はない(しかしそういう理想的環境は稀である).

次は現行のChararinaが対応している,αチャンネルを利用した場合の画像作成を説明します.